理想の睡眠時間はどれくらい?健康とパフォーマンスを左右する睡眠の秘密

理想の睡眠時間は何時間? 基礎知識

理想的な睡眠時間は何時間?

私達はごく自然に「睡眠不足」という言葉を使用していますが、そもそも不足する前の理想的な睡眠時間は何時間ぐらいを指しているのでしょうか?
理想的な身体に心地よい睡眠を得るために必要な時間を調べていきましょう。

一般的に7~9時間が理想の睡眠時間とされているが個人差が大きい

結論として一般的に7時間~9時間程度が理想的な睡眠時間とされています。これはアメリカで睡眠に関する専門家情報の提供を目的とした非営利慈善団体「全米睡眠財団(National Sleep Foundation)」の発表に基づいています。(”National Sleep Foundation Recommends New Sleep Times”, Sleep Health, 2015)
理想的な睡眠時間には年齢や体質などによって差がありますが、概ね上記の範囲内を目指すのが良いとされています。

ただし睡眠時間は個人差が大きく、一概に上記の時間に当てはまっていれば問題がないわけではありません。現在では以下の定義が個々人にあった理想の睡眠時間とされることが多いです。
・日中に眠気を感じない
・一週間程度目覚ましをかけずに起床した場合の睡眠時間

このように実は理想の睡眠時間というのは誰でも当てはまる時間は定まっておらず、自身の体質や年齢、健康状態などによっても左右されるということを知っておく必要があります。

理想な睡眠時間を確保できないとどうなる?

ではそんな中で理想的な睡眠時間を意識しなければ理由はあるのでしょうか?それは睡眠不足あるいは超過によって私達の身体にとって良くない健康リスクが増大するからなのです。睡眠の領域はまだまだ未判明の事実も多いですが、睡眠不足・超過によって健康リスクが増大することはは多くの研究結果で明らかになっており、心血管疾患、糖尿病、肥満、うつ病などの発症リスクが高まってしまうのです。

いわゆるショートスリーパーやロングスリーパーは?

世の中にはショートスリーパーロングスリーパーと呼ばれる方々が存在します。こうした方々は7~9時間に収まらない睡眠時間で生活をされています。
こうしたショートスリーパーやロングスリーパーとされる方は特異な遺伝子を持っていることが研究されつつあります。ショートスリーパーの方であれば3時間程度の睡眠時間でも日中に眠気も感じることもなく、また健康にも問題がない事が多いとされています。一方でロングスリーパーの方の場合は7~9時間の睡眠時間では眠気が消えず、長い睡眠時間を必要とします。

このように持って生まれた遺伝子によっても必要とされる睡眠時間は異なるため、自分の体質などから常に理想的な睡眠時間がどれくらいなのかを意識するのは大切なことです。現在ではショートスリーパーの方であれば、日中に眠気が出なかったり健康上の問題がないのであれば、無理に睡眠時間を長くする必要はないとされています。逆にショートスリーパーの遺伝子を持っていない方が、訓練などによってショートスリーパーを目指すことはできない、というのもよく研究されていることです。睡眠時間を短くすることで起きている時間を長く使えるイメージからショートスリーパーを目指す方も存在しますが、結果的に日中の身体や頭脳のパフォーマンスが落ちてしまったり、何よりも疾病リスクが高まってしまうことから、自らの体質に合わない睡眠時間を目指すことはやめるべきでしょう。

加齢によって睡眠時間は短くなる?

一般的には年齢を重ねるごとに理想的な睡眠時間は短くなってくると言われています。一部の研究によれば「15歳で約8時間、65歳で約6時間」と徐々に必要とされる睡眠時間は短くなってくると考えられています。これは年を重ねるごとに体内のホルモンバランス変化であったり、日中の活動量が減ることから短くなってきます。当然この逆に若い方が長い時間の睡眠が必要となるので、若いから身体に無理が効くなどと考えずにしっかりと睡眠時間を確保するのが重要です。

一般的な理想時間を目安にしながら自分にあった時間を見つけよう

理想的な睡眠時間は7~9時間というのがよく言われる時間ではありますが、年齢や体質、そのときの健康状態にも大きく左右されるのが実態です。
日中に眠気やだるさが残らずシャキッと健康的に行動できる時間が自分にあった理想的な睡眠時間だということを忘れずに、最も好調に過ごせる自分なりの理想的な睡眠時間を把握することが、質の良い眠りを考える第一歩となるでしょう。

執筆者紹介
眠活研究所
民活研究所

眠活研究所は「より良い睡眠習慣」を得るためのちょっとした方法などをご紹介しています。運営は元寝具メーカー社員・健康情報ライター・ヨガインストラクター等により記事の執筆、監修を行っています。
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